「積極性が足りない」という悩みをよく聞く。小学生も高学年になれば、そろそろ「がんがん」行って欲しいと思うのが親心。気持ちはよく分かる。カズも1年生の時とかは引っ込み思案で大いに悩んだ課題である。最近少しばかり積極性が出るようになってきただが、今、親としてどんな心構えでカズに接してるか書いてみたい。
積極性の必要性。
子供から「どうして積極的になる必要があるの?」と質問されたら、どう答えるだろう。一度ちゃんと考えてみて欲しい。そこに親として答えが無いと子供に積極性を伝えるのは難しくなる。例えば「試合中に声を出せ」と言って子供がその通りにしても、それは積極性が出たとは言えない。積極性を持たえるためには具体的な行動について指示するのでは無く、なぜ積極性が必要かを子供に伝えていくことになる。
積極性で得るもの。
ここからは自分なりに考えた積極性の必要性を書いてみたい。
僕が考える「積極性」を因数分解してみると、大きく二つの因子が出てきた。一つは「自発的行動」もう一つは「機会の創出」だ。もちろん他の因子もあると思うが、個人的にはこの二因子のために積極性を持ってもらいたいと考えてる。
「自発的行動」とは、「決まりだから」とか「叱られるから」という理由でなく、自らの考えに基づいて行動することだと思う。ここで大事なのは、「自発的行動」は子供が考える故に結果を伴わない事が多いということだ。むしろ指示に従ってる方が結果は出やすい。ここが「自発的行動」を育む上で一番難しいところだ。
例えば、CBの子が相手を一人躱そうとしてボールを取られて失点する、結果は悲惨だが、それでも、その子は何かを考えて躱そうとしたはずだ。
ここで怒るのは簡単である。でも「自発的行動」を考えるなら、その子にどうして躱そうとしたかを怒らずに聞く必要がある。そして答えが何にせよ「自発的行動」は褒めてあげて、判断(又は認識)が良くなかったことは改善しなければいけない。「自発的行動」は人間形成に影響し、判断の正しさはサッカーの技術に影響するからだ。
「自発的行動」がある程度育ち、判断の正否が分かるような年齢(10歳位)になれば、失敗しても自らを改善できるようになる。そして、そういう子は失敗の中にも「良い失敗」があることに気づく。例えば相手ゴール前でのし掛けとか、裏を狙うようなスルーパスとか、状況を一変できるようなチャレンジに伴う失敗などだ。そのようなプレーを選択するのが「決断」になる。その試合の重要性・試合展開・仕掛ける位置などを考えて「自ら」決断できるようになれば、その副産物として責任感が生まれてくる。失敗の先にあるのが「叱られる」「怒られる」では責任感は生まれない。もちろん、判断の良し悪しなどは適当なタイミングで補正してあげる必要がある。これがコーチングである。
もう一つの「機会の創出」は、例えば「プレーに絡む」などがある。これは単純で、機会が増えれば技術的に向上しやすいし、大事な試合でプレーすれば精神面も成長できる。逆に、機会が創出されない行動は積極性があるとは言えない。子供に「今日は積極的にプレーを避けた」と言われても、目指してる積極性とは違う。
まとめると、積極性を生むには、まず適切に「褒める」こと。「褒める」は認知で「叱る」は否定。「褒める」は補正で「叱る」は指示。子供の未来像を描けば自ずと親の行動も決まってくる。
なーんて、偉そうに言ってますが、僕もこんな境地でいられる時間は僅かで。。日々精進です。
今日は横浜FCの練習だった。