先日、過去のオリンピック代表の強化試合がスカパーで流れていた。ロンドンオリンピックに向けた強化試合で相手はメキシコだった。
解説者は金田喜稔。何気なく見ていたのだが、金田氏が「スペースにボールを出してるうちは日本のサッカーは強くならない」みたいな事を言い出したので「ん?」と思い画面に釘付けに。最初は理解不能だったが、ちゃんと話を聞いてみると中々面白い内容だったのでメモしておく。
まず、ここで言う「スペースに出す」というのは、相手に取られる可能性があるところにボールを出すことを言ってる。例えば下図のようなパス。
そう言われて改めて思い起こすと、確かに高校サッカーやJリーグの試合では、上のような状況でボールを失うことが多い気がしてくる。単に洗脳されてきただけなのかもしれないがw。
このパスが成功するには、幾つかの要因が必要になる。
- 十分なスペースがある。
- パスの受け手の足が速い。
- パスのスピードが適切。
確かに、確率的に低い選択肢な気がする。仮にパスが通っても、受け手をサポートする見方が来るまでは孤立してしまう。
金田氏が言いたいのは、現代サッカーにおいてボールを失う事のリスク、言い換えれば、ボールを自分たちで持ち続ける事の価値が高まっている事だと思う。スペースへのパスは、ボールを失うリスクを取ってまで使う一手では無いという事なのだろう。
もちろん、相手のDFが足が遅いとか、見方のCFがヘディングが強いとか、いろんな状況で選ぶ手は変わるので、一概にダメでは無い。
じゃあ、サッカー先進国ではどうやってパスを出すかと言うと。下の図のように足元に早いパスを出して、そこから突破を試みる。
受け手が気をつけるのは身体の向きとボールを受ける足だ。上の図で言えば、受け手の身体の向きは、パスの出し手と相手とゴールを見る向き (図で言う上向き)で無くてはいけない。ボールを受ける足は右足。出し手も受け手の右足に目がけて速いパスを出す必要がある。
何故早いパスが必要かというと、受け手はスペースの無い中でパスを受ける事になるので、相手のプレッシャーを受ける前にドリブルを始める必要があるからだ。緩いパスだと、受けた瞬間にプレッシャーが来てドリブルに入れない。
仮に早いプレッシャーを受けるなどしてドリブルに入れなくても、受け手は後ろへのパスコースが確保されてるので、もう一度作り直せる。ここが重要なポイントだと思う。
金田氏が解説していたオリンピック代表の強化試合でも、メキシコはスペースへのパスを選択する事が少なかった。
もうすぐJリーグも開幕する。日本と海外のサッカーの違いを見比べるのも面白い。
※この記事を書いてるのは2/5(金)だが、カズが風邪を引いたのでサッカーができず。「サッカーをした日のみ記事を書く」ルールを守って、記事の日付は2/3(水)になっている。